母校への寄稿

 自由学園を卒業して13年になります。これまでずっと生パスタやピザが売りのカジュアルなイタリアンで働いています。初めに㈱ポポラマーマに就職、その後故郷の山口県宇部市で「サンマルノ」を独立開業。生パスタやピザが売りのイタリアンで働いています。

私の主な仕事はレストランでの接客と調理です。お店は面積20坪、客席数26席のお店です。ランチとディナーを営業しています。地元食材を出来るだけ使い、手作りで作るカジュアルな雰囲気のお店です。地元のお客様を中心に繰り返しご来店頂いています。独立して7年目になりました。

過去から現在までの振り返りですが。どの在学中も振り返れば感謝ばかりです。自由学園の在学中は決して優秀といえる生徒ではなく、ご迷惑を多方面にかけたことばかりと恐縮しています。

そんな在学中、最も心に残り、また現在に繋がる経験は三重県の速水林業で学外研修をさせていただいことです。学部の植林で速水林業の大多賀山林を訪れ、その森林を見て感動したことを強く覚え忘れられません。

200年以上も適切に管理された森林は間伐がよくされ、巨木が立ち並んでいました。単純にその見たことの無い美しい巨木に圧倒されました。しかしそれよりも、その何世代にも連なった森林管理の仕事が未来のより良い環境を作り上げていく。そういうことを自身のライフワークにしていきたいと漠然と考えました。未来により良いものを残していく、そんな仕事をしたい。出来れば林業で。

自分にとっては明るい未来を見出すことが出来ず、林業での就職は断念しました。給料や生活する場所等、就職の一番の目的として考えていた、経済的な自立、これが出来ないと感じた為です。しかし何か人と自然を繋ぐ仕事をしたいという風に思っていました。出来れば衣食住など、日常の普通の生活に繋がると思える仕事のなかで。

就職先を決めたきっかけは、就職活動をする中で㈱ポポラマーマの安家社長(35回生)にご相談の機会を頂き、その方のもと働ければと思ったことです。主な事業内容は高品質な生パスタを主力商品とした飲食店チェーンの経営です。その会社が急成長していて、新規出店の多いタイミングでもあり、この方から色々なことを勉強させてもらいたい。給料は申し分ない。未経験でも雇って頂ける。もしかしたら上場に立ち会えるかもしれない。ゆくゆくは経営を勉強して独立もしたい。経営理念の「日常の小さな感動を創造する企業」にもとても共感できると感じました。断念した林業が数百年先に繋げていく感動であるなら「日常の小さな感動」は現在に繋げる感動、小さな感動を多く創造していくことで大きな仕事をしていく。これだ、とピンとくるものがありました。

今後の目標は2つ、法人成りとランチとディナーの間をカフェタイムとしての営業を増やすことの2つです。お客様にとっても社員にとってもより良いお店にし続けていきます。

自由学園での学びは飲食店の経営に役立つことばかりと思います。何かあげるとしたら何でもしてみようと思えるところは活きていると思います。自由学園での生活の中で素材そのものに触れる機会があり、野菜や肉等の食材は育てるところから経験出来ますし、木工、裁縫、写真、映像、音楽等様々な学びがありました。普通は買おうとか、依頼しようと思うところをまずやってみよう、と挑戦出来ることと思います。