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2016.05.08

半世紀前復刻メニューへの思い

 
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1971年発行のデールさんが執筆したデザートのレシピ本を見ながら約半世紀前の復刻メニューを提案させていただこうかと考えています。
かつての味を懐かしく、また逆に新しく感じ楽しんで頂けたら嬉しいです。
デールさんとは戦後にご夫婦でアメリカから来日し、宇部市の教会(現サンマルノの場所)のキリスト教ルーテル派牧師のご婦人で、宣教活動と共にケーキやクッキー等の料理教室を開いておられました。
サンマルノのお客様の中でも、半世紀前の当時学生でデール夫妻の通訳をしていた方がおられたり、また祖母からは当時このレシピ本に出てくるエバミルクをよく購入頂いていたと聞いています。
私の母校自由学園の後輩に下関で牧師をしている者がおり、3年前にアメリカから来日していたデール夫妻にお会いすることがあったと聞いています。
私自身はお会いしたことがないのですが、間接的にご縁の多い方であります。
デール夫妻の生活は戦後の物資が不足していた時代に簡素でありながらも機能的に美しく、より良く暮らす。そうした生活の姿勢が時に憧れの眼差しを受けることもあったそうです。
例えば、宇部市初の水洗トイレはデール夫妻がアメリカより取り寄せ設置した。とのエピソードからは下水道を衛生的に普及させたことへ貢献したのであろうと想像出来ます。
また、バラックが建ち並ぶ中で一軒だけ西洋の様式のデール夫妻の家があり目立っていて、磨かれた窓ガラスにレースのカーテンがかけられ、見事なガーデ二ングがされていたそうです。
宇部市での活動の後に東京へ移住し1971年にこのレシピ本を発行されたのですが、宇部の歴史あるパティスリーでも1971年の後に創業のようですので宇部市にパティスリーが出来る前からデザート等の料理教室を開いていたことになるのではないでしょうか。
そうした西洋文化の発信者として、先駆的な役割を担っており、以後多大な影響があったものと推測します。
現在サンマルノに当時の面影はなく、残っているのはこの本や当時の鍵などの小物だけですが、宇部市においての西洋文化がある意味始まったこの場所で今もその流れを組むように西洋料理店、サンマルノの営業をさせて頂くことができるのはご縁があったことをありがたく思い、また同時に背筋が伸びる気持ちになります。
もう少しでサンマルノの3周年を迎えるにあたり 50年以上前から続く歴史にある様々な人達の思いに触れ、半世紀前の復刻メニューを始め、何か意味のあることをしていきたい。このように思っています。
 
 

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